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マンガ『イノサンrouge』を読んで炭の解毒作用を学ぶ

[WRITER] ダクトテープ

 

気が付けば2018年も残りわずか。

クリスマス~お正月という年末コンボへのカウントダウンがはじまっています。

シュトーレンのクリスマスチキンがローストビーフ&ヨークシャープディングがジンジャーブレッドマンがブッシュドノエルが年越し蕎麦が御節が花びら餅がカレーが蟹が全部美味い!

しかもお酒の席も多いぞ!

 

ということで、胃腸の調子が下がり気味だったり、太ったり、そういうことになりがちな時期なわけです。

そんな過酷なシーズンに備えて、

なんと「炭でデトックスできてしまう!」という情報を小耳に挟んで参りました。

 

情報の出所は、ミランダ・カーさん。

こういうのは、大体このお方です。

 

炭デトックスのメカニズム


デトックスとは、つまり「解毒」のこと。
炭で解毒できるものなのか、ちょっと謎に思ってしまいそうなところですが、そのメカニズムはこうです。

 

炭の表面には無数の「微細孔」という細かい細かい細かい細かい穴が空いています。
松田鏡二がブチ切れるレベルを超えた、この微細孔によって構成される多孔質のため、
わずか1gの木炭の空気に触れている面は、

なんと25mプールの面積に匹敵する約300m2にもなるのです。

 

さて、この細かい細かい微細孔は「毛細管現象」を起こします。
毛細管現象とは、細い隙間に水分が吸い込まれていく物理現象のこと。

 

要するに、

「炭の微細孔による毛細管現象を利用して炭に毒物を吸着させ、排出することで解毒する」

というのが炭デトックスのメカニズム。

 

炭は、ダイオキシン、ヒ素、アセトアルデヒト、水銀、鉛などを排出して解毒してくれます。

 

テキストは『イノサンrouge』第1巻

この炭の解毒作用を利用したトリックの一例をご覧入れましょう。

 

とりあげるのは、漫画『イノサンrouge』の第2話「夢幻の死刑執行人」。
コミックスでは1巻に収録されているエピソードです。

 

『イノサンrouge』は坂本眞一先生による漫画。
2013年から「週刊ヤングジャンプ」に連載された『イノサン』の続編です。

ムッシュ・ド・パリと呼ばれた実在の死刑執行人・シャルル=アンリ・サンソンの人生を描き、
第17回文化庁メディア芸術祭で審査委員会推薦作品にもなった『イノサン』。

『イノサンrouge』では、その異母妹であるマリー=ジョセフの活躍を描いています。
実際のマリーは、もちろんこんなにパンクスではなく、当時のごく一般的な女性だったようですが。

 

ともかくも、パンがなければケーキを食べたらいい時代のお話です。

プレヴォテ・ド・ロテル(宮廷衛官)であったマリーには、褐色の肌を持つ混血の青年、アラン・ベルナール・シュバリエ・ド・サン・ジェロームという想い人がありました。

が、アランはド・リュクセにより殺害されてしまいます。

 

しかも、ド・リュクセはシャルル15世の寵愛を受けていたデュ・バリー夫人を通じて無罪を勝ち取り、華やかな社交界へ戻ってきたのです。

 

マリーの復讐

さて、いよいよ炭の出番です。

 

マリーは炭をかじり、紅をひき、美しく着飾り、パーティーにやってきたド・リュクセの慈悲を請います。
品をつくったマリーの美しさに、我を忘れるド・リュクセ。

 

食事もそこそこに、ドレスのマリーと別室へ。

赤く紅で濡れたマリーの口に唇を重ねるド・リュクセ。

その途端、ド・リュクセは我を失い、幻視と幻聴の世界へと放り出されます。

幻覚に攻められたド・リュクセはたまらず自らの罪を叫びます。

しかしてそれは、シャルル15世、マリー・アントワネットらが揃った前での罪の告白でした。

 

こうして、ド・リュクセは改めて死刑台へと送られることとなり、
ドレスを脱ぎ捨て、本来の姿であるモヒカン・マリーによって刑に処されたのでした。

 

ド・リュクセの首を掲げたマリーのパンクスっぷりには、マリー・アントワネットでなくともしびれるというもの。
「平等(エガルテ)だろう~?」

なぜマリーは平気だったのか?

ド・リュクセの幻覚症状は、オオワライタケの毒によるものでした。

 

オオワライタケは、ハラタケ目フウセンタケ科の毒キノコで、催幻覚作用成分のシロシビンを含んでいます。
マリーの紅には、オオワライタケがめいっぱい塗り込んであったのです。

 

では、なぜマリーは平気だったのでしょうか?

 

口紅は唇に塗るものなだけに、食事の際などに結構口に入ってしまうようで、
一般的に女性は、生涯に5~10本くらいの口紅を経口摂取しているそうな・・・

 

マリーがどんなにがんばって唇を閉じようと、毒を含んだ紅が口に入ってしまいそうなものです。

 

ですが、マリーは炭をかじっていたのです!

それこそ、キットカットのように!

 

「父上が綴った医学書をもとに焼き炭をかじって胃の中を満たし、吸着させて体内に毒が入るのを防いだが・・・」

 

マリーは、毒を含んだ口紅が口に入るのを防ぐのではなく、

口に入っても大丈夫なように予防策を打っていました。

 

その予防策こそ「炭」だったのです。

 

首切り浅右衛門こと山田浅右衛門が浅右衛門丸を作って売っていたのと同じく、
マリーの属する死刑執行人の家・サンソン家は、その職業上の理由から人体に精通しており、医業を副業としていました。

 

実践に即し、独自の研究を重ねたサンソン家の医療レベルはかなり高かったと言います。
マリーは、サンソン家に伝わる炭の解毒作用を利用して、自分の身を護り、復讐を成し遂げたのでした。

炭の効能と副作用

炭の解毒作用は古くから知られており、忍者が用いていたことが伝えられています。

炭焼職人は病気にならないとも言われ、彼らは炭をかじっていたとも。

 

現在でも解毒薬として薬用炭が存在し、自家中毒・薬物中毒の解毒のために処方されることがあります。

しかし、薬用炭には「消化不良・栄養障害」といったの注意すべき副作用があるのも事実です。

 

また、解毒作用があるといっても「防いだが・・・」とつぶやいたマリーの前にアランの幻が現れたように、
炭をかじって毒物を吸着させたとはいえ、オオワライタケの幻覚作用を完全に防ぐことはできなかったようです。

 

ガチの解毒に炭を用いるのは、医師によって処方されたケースのみとすべきでしょう。

 

まとめ

ミランダ・カーさんよろしく、炭の解毒作用の利用はデイリーなデトックスにとどめておくとして。

 

口紅を食べてしまうという話が出ましたが、日常的に私たちは食べ物でない何かをうっかり摂取してしまっているのは確かです。

 

うっかり摂取した何かが気になりだしたら、そんなときこそ炭でデトックスを!
年末のご馳走を食べ過ぎたお腹のデトックスにも!

 

たまにはセレブな情報もお届けしてみる、さばい部のおしゃれ番長・ダクトテープとは俺のこと?
炭のデトックスで、セレブリティっぽく、身体の中からレッツ・サバイバル!

サバイバルポイント

炭といえば「炭火焼き」。

炭火焼きがガス焼きより美味しいのは、炭火が「遠赤外線」を多く放つからみたいですね。

遠赤外線によってダイレクトに食材を加熱できるから、「表面パリッ&なかはジューシー」に仕上がり、旨味もしっかり閉じ込められるんです。

年末の焼肉は、ぜひ炭火焼きで!