マンガ『EDEN』を読んでナイフを銃口に投げ入れて発砲を阻止できるかを学ぶ

この記事を読む所要時間 : 約4分  サバイバル度 :

 

誰もが一度は考える、「ナイフ vs 拳銃」の対決。

 

「やめておけ、拳銃のほうがナイフより速いと思っているんだろう」
「この距離ならナイフのほうが絶対に速い!!」
・・・と漫画『MASTERキートン』の「プロフェッサー」ことジョージ・ウルフが語ったことにより、速さによるナイフ優位の印象もなくはないのですが。

 

ここはあえて。
ナイフ vs 拳銃を「発砲阻止」の視点で考えてみたいと思うのです。

 

そんなわけで、勝手にシリーズ化しようと企んでいる(?)発砲阻止シリーズ!

「発砲阻止できるかな?ナイフ編」のお時間ですよ!

ずんちゃかずんちゃか。

 

テキストは、漫画『EDEN 〜It’s an Endless World!〜』第4巻

人類に大打撃を与えたクロージャー・ウイルス大流行後のデストピアな近未来。
南米最大のマフィアのボスを父に持つエリヤ・バラードは、父親がかつて関わり、現在は対立している組織「原父連邦(プロパテール)」から母親と妹を奪還しようとしていました。
その過程で、傭兵集団「ノマド」と合流することになります。

 

そのノマドに所属するケンジと、大佐ことナザルバイエフ・カーンの馴れ初めとも言える場面。
ケンジが大佐の銃口にナイフを突き立て、大佐が発砲不能になるというシーンです。

 

ケンジは袖口に隠し持ったナイフで、まず一人目の男の手首を切りつけます。
そして、そのナイフを持ったまま大佐に接近。
腕を横向きに振ってナイフを投げ、大佐の持つ拳銃の銃口に差し込み、大佐は発砲を思いとどまるのです。

 

結局、ケンジは大佐に取り押さえられることになりますが、大佐の拳銃を拾い上げた仲間が、銃口に突き立てられたナイフを見て「まぐれだよな?」と言うほど奇跡的な出来事でした。

 

ちなみに、大佐は「まぐれではない」としています。
ケンジが「躊躇なく2刃目を繰り出してきた」のがその理由。
ナイフによる攻撃というのは基本的に次の動作へのきっかけであり、一撃必殺はなかなか難しいものです。
よって、ナイフ使いと対峙した場合、次の行動があると見て然るべきということを頭に入れておくべきでしょう。

 

で、ここからがお待ちかね、発砲阻止できるかどうか。

 

銃口に異物を詰めて発砲阻止できるのか? 

 

一般的に考えれば、銃口に異物を詰めての発砲阻止は難しいというのが結論です。
なぜなら、ほとんどが発砲時のガス圧で吹き飛ばされてしまうからです。
銃口に刺さったナイフもまた然り。

 

それでも、もしも、うまくがっつりハマったら・・・?
「if」目線で考えてみたいと思います。

 

まず、うまく内部にがっつりハメるためには、とにもかくにも、銃口にナイフが刺さらなければいけません。

ここで問題になるのが、銃口とナイフの大きさ
まず、銃口から射出される弾丸とナイフを比較してみただけで、難しいのが分かるでしょう。

 

たとえば、「こち亀」の両さんも持っているニューナンブの口径は38口径=9mm。
初期の中川がぶっ放していた.44マグナムでさえ、口径は44口径=11.2mm。
拳銃の口径は、せいぜい1cm程度。
銃口に突き立てるためには、ナイフの刃がこれよりも小さくなくてはなりません。
さらに、口径が1cm程度ということは、ナイフで狙う的が1cm程度ということでもあります。

 

これに対し、ケンジの使用していたのは片刃のフィックスブレード。
刃渡り10cmはありそうです。
このサイズだと、刃先がちょっと差し込む程度ならあり得なくもないのですが、がっつりハマるにはちょっと太すぎます。

 

また、ケンジの場合、かなりの近距離から回転させずにまっすぐ投げたようです。
一般的にナイフ投げでは、回転させて投げ、ナイフの回転数と距離を計算して的に当てます。
刃先に重心がないと回転がかかってしまうからです。

 

柄を軽く作ったスローイングナイフでも普通に投げれば回転がかかります。
フィックスブレードがまっすぐ飛ぶほどに刃先に重心のあるものとなると、刃はそれなりの大きさ・厚みになるでしょう。
すると、やはり銃口に刺さり得て、かつがっつりハマるサイズの刃ではなくなってしまいそうです。

 

かといって、ナイフが小さな銃口から砲身を切り裂いて刺さるには、砲身は丈夫過ぎます。
なにしろ、弾丸の射出に耐えうるだけの強靱さを持っているわけですから。

 

正確に1cm程度の穴に向かって投てきする技術。
銃口にはまるほど小さく、がっつりハマるだけの丈夫さを持ったナイフ。

これらを兼ね備えてはじめて、発砲を阻止できる可能性が少しだけ出てくるのです。

 

発砲阻止は不可能!

 

 

というわけで、拳銃の銃口にガス圧で吹き飛ばせないくらいがっつりハマるほどのナイフを投てきして突き立てて、発砲を阻止することは「不可能」とさせていただきます。

発砲阻止の道は厳しい・・・
と同時に、拳銃という武器がいかに叡智の結晶であるかを思い知らされますな。

 

ところで、なぜ大佐は発砲をためらったのでしょうか?
銃口にナイフが刺さっても、ガス圧で吹き飛ばせることくらいは解っているはずです。

 

ひとつは、ケンジを生け捕りにしたかったからではないかと。
これは、ケンジの2刃目を耐えることができるという大佐の自信の現れでもあります。

 

もうひとつは『MASTERキートン』のプロフェッサーが「拳銃はデリケートな道具だ。弾が出ないかもしれないし、思い通り的に当たるとは限らん。」と言うとおり、拳銃はデリケートな道具であることを大佐もまた知っていたからではないでしょうか。

ナイフが銃口に刺さるなどという経験はこれまでになかったでしょうから、デリケートな拳銃にどんな不具合が発生するか予測不可能

よって、発砲を避けたとも考えられます。
叡智の結晶であるからこそ、拳銃は繊細なのです。

 

拳銃の銃口にナイフを突き立てるのは、口径とナイフの大きさの関係から見ても不可能に近いことです。
とはいえ、万が一、銃口にナイフが突き立てられた場合、発砲という選択をする人は少なでしょう。

 

まとめ

ナイフによる発砲阻止は、今回は「不可能」という結論とさせていただきますが、「ナイフ vs 拳銃」の結論はおあずけ。
どちらを持っていたら勝てるか、つまりサバイバルできるかは、単純には決められなさそうです。

POINT サバイバルポイント

・銃口とナイフのサイズがばっちりハマれば、銃口にナイフを突き刺すのは不可能ではない。

・銃口にナイフを突き刺したからと言って、発砲されたらナイフは簡単に吹き飛ばされる。

・しかし、銃口にナイフを突き刺されるというミラクルを目の当たりにしたら、たいていの人間は発砲をためらう(はず)。

Written by: ダクトテープ

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