もしもの場合のサバイバル

小説『かくも長き夜』を読んで銃撃戦でのガムテープ活用術を学ぶ

[WRITER] ダクトテープ

 

ハードボイルドと言えば、ゆで卵かしら?

そんなことは忘れた。

それとも世界の終わり?

そんな先のことはわからない。

 

以上、思いこみと偏見に満ちたハードボイルドな導入を目指してみましたが、今回はハードボイルドな小説からハードボイルドなサバイバルの知恵をひとつ学んでみようかと。

 

 

必要な物はガムテープ・・・とコンバット・マグナム

 

e6072b3f869a8bab08cf6ec32b4b918f

 

ecd19cf53b07d07fb9e8fc52d6f80385

 

今回学ぶのは、銃撃戦におけるガムテープ活用法についてです。

 

テキストとなるのは、ばりんばりんのハードボイルド小説『かくも長き夜』

 

メディアミックス作品「機動警察パトレイバー」のプロットに参加していたことで知られる作家・火浦功氏による短編で、『死に急ぐ奴らの街』に収録されています。タイトルがね、もうね、ハードボイルド。

 

主人公はバーテンダー。
仕事の前にフィリップ・マーロウの台詞を呟いてから、その日の最初の一杯であるギムレットを嗜むことを習慣としている、己の美学を大事にしていそうな男。
そしてもちろん、過去に訳ありな男。

 

時代は宇宙植民が始まる頃のことらしい。

 

そんな舞台設定が整っているので、あとは訳ありな客と美人刑事がやってきて、一悶着あるというのは必然。
こうしてカウンターから出ることになった主人公の「かくも長き夜」が始まり、ガムテープ技が炸裂するというわけです。

 

さて。

 

訳ありな客が店を出るなり銃弾に倒れた現場の第一発見者となってしまったことから、どうやら厄介なこと巻き込まれてしまった主人公。(当然の展開)
担当についた美人刑事とのやりとりの中、意味ありげに荒らされた店。(当然の展開)
恫喝ともとれる電話を受けた主人公が引っ張り出してきたのは、バーテンダーとしてカウンターに入る前の過去と、その頃の相棒、S&W(スミス&ウェッソン)、M-19コンバット・マグナム。(当然の展開)

 

そして、人知れずガムテープを購入(ええええっ!?)。

 

荒れた店内から、自分が狙われることになった理由を発見した主人公は、だんだんと自分がすでに引き返せない地点を踏み越えていることを自覚するしかなくなります。
とうとう車に手榴弾をぶち込まれ、あわやという事態に。
しかし、主人公の手からコンバット・マグナムが離れることはありませんでした。

 

その理由こそが、今回のテーマ、ガムテープです。

 

主人公はかつての恩人に教わったとして、ガムテープで右手に銃を固定するというサバイバルの小技を使っていました。

 

と言っても、最初からずっと手に銃が固定されっぱなしでは不便。

 

ガムテープは50cmほどに切って、あらかじめマグナムのグリップに巻きつけておきます。

それをいざというタイミングで剥がして、グリップと手を貼り付けて固定に使うのです。

 

ガムテープのメリットは二つ。

 

・グリップが安定すること。

・そして銃を離して紛失するのを防げること。

 

さらに後者には、相手に武器を奪われないというメリットも含まれています。

 

作品中では、こんな感じでピンチに効果を発揮していました。

 

 

①手榴弾の爆発で吹っ飛んで気絶しても、マグナムを失うことはなかった

 

②足で右手を蹴飛ばされてもマグナムは手の中。しかも相手は主人公の手から武器が離れたと勘違い、油断して正面に立ったためたやすく反撃することができた。

 

③格闘で肋骨が折れてもマグナムは手放さずに済んだ

 

 

・・・と言うことで、結局、戦闘の最後まで武器を無くすことはありませんでした。

 

また、長いブランクのために「腕も体力も衰えているはずだ」と主人公は認識していましたが、ガムテープでのグリップ補強のおかげか、狙って撃った分はきちんと仕留めています。

 

さらに、主人公はコンバット・マグナムの準備と同時に、ガムテープによるブーツナイフの固定もしています。
おかげでブーツナイフも身体から離れることなく、これにより窮地を救われてもいます。

 

このように、隠し持った武器の固定にも役立つのがガムテープなのです。

 

こうして主人公はガムテープ技を駆使して、無事、かくも長き夜をサバイブしたのでした。

 

ガムテープ技で銃撃戦をサバイブするにあたっては、こんなポイントをチェックしておくと良いかもしれません。

 

まずはガムテープの種類。
主人公がガムテープを購入したのは、雑貨店でした。
ですので、ガムテープはごく一般的なものと仮定して。

 

ガムテープには、主にがあります。

この二つであれば、布のほうが当然強度も粘着力も高いので、もしもの時は布のガムテープを選ぶようにしましょう。

 

一応、ガムテープ技のリスクのほうも。

ガムテープはもともと皮膚に貼ることを考えてつくられてはいないので、粘着糊による肌荒れ、はがす際のダメージによる内出血などが予想されます・・・が、そんなこと言ってる場合じゃない活用法ですね。

まあ、それでもリスクは把握しておいたほうが。

 

もっと強力なダクトテープでも固定できそうですが、剥がすのも相当強力に痛そう・・・
ケラチンは諦めるしかなさそうです。

でも、そこはニヒルな表情でもして乗り切るのです。
ハードボイルドですから。

 

では。

「さよならを言うのは少しだけ死ぬことだ」とフィリップ・マーロウを引用しつつ、さらば。

サバイバルポイント

①ガムテープで銃と手を固定すると武器を失うことが無く、グリップが安定する
②ガムテープは50cmほどにカットし、グリップに巻いておく
③必要な時にガムテープで固定する
④銃以外のものでも固定するのに役立つ