もしもの場合のサバイバル

ボツリヌス菌を知って対処法を学ぶ

[WRITER] ツナカン

ちゃーす! さばい部のツナカンです。

つい先日北朝鮮よりアメリカの学生ワームビアさんが拘束から解放されました。

解放された学生は昏睡状態でしたが、北朝鮮の発表だとボツリヌス菌による症状だというのですが、世界最強ともいわれるボツリヌス菌っていったい何なのか?

どういう経路で人体に危害が及ぶのか?を再考したいと思います。 ※アメリカの発表だとボツリヌス菌の症状は見られないとのことでしたが・・・

 

・ボツリヌス菌の強さってどれくらい?

ボツリヌス菌が作り出す毒素ボツリヌストキシンは1g(グラム)で100万人の致死量に相当するとあります。

よくドラマや映画でいわれる自殺用の毒、青酸カリの致死量は5人/1g なので単純計算でいうと青酸カリの20万倍というわけです。

人類滅亡させるにはボツリヌス菌500gで出来てしまうわけです。

 

・菌はどこにいる?

自然界では土の中や海や川、湖の泥砂の中に分布している嫌気性菌で、熱に強い芽胞(芽胞)を形成します。芽胞というのは熱・薬剤・乾燥などに強い抵抗力を持つ細胞構造でいわば卵のような物なんです。菌が増殖するに適さない状態の時はある種無敵状態で休眠していて、いざ増殖に適した環境になると発芽して菌体にもどります。 ボツリヌス菌は低酸素状態になると発芽し毒素をだすものなので缶詰や真空状態の時に増殖します。

 

・感染経路は?

主に食中毒(口腔)、傷口から、乳児の体内発芽の3経路が主な原因となります。 もともとボツリヌスの語源はラテン語の「botulus」で腸詰め、ハムを意味します。 19世紀のヨーロッパで腸詰めやハムを食べた人達がかかる食中毒のためこの名前が付いたと言われています。 生物兵器としての研究もされていたようで1995年にサダム・フセイン政権の時に20000リットルものボツリヌス菌を破棄したと自己申告がされたが確認はされていない。

 

・どんな食品に多く見られる?

瓶詰や缶詰の低酸素状態の食品に多く、特に自家製などで加熱処理などされていないものは注意が必要です。

・ボツリヌス菌の症状は?

吐き気、おう吐や視力障害、言語障害、えん下困難 (物を飲み込みづらくなる。)などの神経症状が現れるます。重症例になると呼吸麻痺により死亡します。

 

・ボツリヌス菌の弱点は?

ボツリヌス毒素は加熱することで無害化できます。ボツリヌス菌は芽胞となって高温に耐えることができるのですが、ボツリヌス毒素自体は100℃で1~2分の加熱で失活されます。なので食品は加熱することで回避できるのです。

乳児ボツリヌス菌

つい2~3カ月前にも日本で乳幼児にハチミツを与えたことで乳児ボツリヌス菌が発症してしまい死亡してしまった事故がありましたね。

ハチミツにはボツリヌス菌の芽胞が含まれていることがあり、前述したように芽胞は熱にも強く加熱したところで死滅することはあまりないのです。 腸内はボツリヌス菌が発芽するには適した環境で、まず低酸素で栄養分がある状況なので発芽してしまい、毒素を出すといわれています。 ではなぜ乳児に限ったことなのか?というと1歳未満の乳児はまだ体がちゃんとつくられていないため腸内細菌(ビフィズス菌、乳酸菌、大腸菌)の活動が活性化しておらず、消化液や免疫力も弱いためボツリヌス菌が育ってしまうのです。

乳児にはハチミツを与えてはいけない理由はこういったところにあります。 乳児ボツリヌス菌の症状は便秘状態が数日間続き、全身の筋力が低下する脱力状態になり、 哺乳力の低下、泣き声が小さくなる等、筋肉が弛緩することによる麻痺症状が特徴です。

ちなみに子犬や老犬も同様にNGです。

 

 

知識を活かして生き残れ!

・真空パックや缶詰が膨張していたり、食品に異臭(酪酸臭)があるときには絶対に食べない

・120℃4分間(あるいは100℃6時間)以上の加熱をする

・ボツリヌス毒素は100℃で1~2分の加熱で失活

・乳児に与えてはいけない食品を知っておく(ハチミツ・コーンシロップ・黒糖)

・ボツリヌス菌が含まれそうな食品には気を付ける(カラシレンコン、いずし、あずきばっとう etc)

サバイバルポイント