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マンガ『あさひなぐ』を読んで長距離を無理なく歩くための「ナンバ歩き」を身に付ける

[WRITER] ダクトテープ

 

新生活が始まったフレッシャーズの諸君の中には、初めての一人暮らしなんて君もいるんじゃないかな?

 

よーし、OK、OK。

頼れるエルメェス兄貴だと思ってさ、何でもダクトテープに相談しちゃいなよ!

 

・・・。

 

アーハン。

なるほど、なるほど。

 

よくあるよね、いったいどこ神行太保戴宗だよ!って言いたくなるような「駅徒歩10分」の物件とか。

もはや、最寄り駅の定義って・・・ってなるよね。

 

そこで。

ダクトテープ兄貴が、「長距離を無理なく歩く」ためのヒントが載ってる漫画を発見したから教えてあげよう!

 

いくよー!

長距離を無理なく歩くヒントが載っていたのは・・・

 

テキストは漫画『あさひなぐ』


今回のテキストは、こざき亜衣作「ビッグコミックスピリッツ」にて連載中の薙刀漫画『あさひなぐ』。

 

主人公は女子高生、東島 旭(とうじま あさひ)。

元美術部の旭が薙刀(なぎなた)に出会い、仲間とともに成長していく姿を描いています。

 

最初に、薙刀(なぎなた)とは何か?簡単に説明しておきましょう。

 

薙刀は、長い柄の先に反りのある刀身が付いた日本の武具。

長さは2メートル前後のものが主ですが、有名な武蔵坊弁慶の薙刀「岩融」は刀身部分だけで1メートル以上あったとか。

 

平安時代に誕生し、南北朝時代に盛んに使用されるようになったと言われています。

 

ちなみに現在、武道として競技化されたものは「なぎなた」と表記。

「なぎなた」では、アイスホッケーのスティックに似た形状で刀身のない競技用なぎなたか、薙刀の木刀を使用します。

 

さて。

 

チェックすべきは、第一巻収録の七本目「跳べない子」。

インターハイ敗退後、三年生が引退して代替わりした頃のお話です。

 

新入部員である旭たちもだいぶ薙刀部の練習に慣れてきた感じの頃。

新入部員の活動は、廊下からスタートします。

 

部室と武道場の鍵を取りにいき、部室で袴へ着替え。

着替えが済んだら、防具と薙刀を武道場へ運んで並べます。

そして、先輩が来るまでトレーニングをして待ちます。

 

ここまでの流れの中に、長距離を無理なく歩くヒントになる「とある動作」が登場します。

 

とある動作とは「ナンバ歩き」です。

 

武道場の鍵を取りにいく時は廊下をナンバ歩き。

 

武道場で先輩を待つ間のトレーニングもナンバ歩きです。

 

江戸時代の歩き方!?ナンバとは?


「ナンバ」とは、右手と右足、左手と左足を同時に出す歩き方で「同側型動作」のこと。

 

武道や民舞によく見られ、特に歌舞伎の所作である六方(六法)の基本動作として知られています。

 

江戸時代には一般的な動作だったという説もあり、浮世絵では、たしかに同じ側の手足を出して歩く人々の姿を確認できます。

 

左右同じ側の手足を出すナンバ歩きの動きは、薙刀初心者にとって必修。

そのため、旭たちはナンバ歩きをしていたのです。

 

このナンバ歩き、実は効率よく身体を動かすためにとても重要な動きなんだとか。

 

作中における旭のナンバ歩きの紹介によると・・・

 

「なんば歩きとは同じ側の手足を出して体をひねらずに歩く日本古来の歩行法」

「江戸時代の飛脚の走り方だという説もある」

 

となっています。

 

同じ側の手足を出して歩くことで体をひねらないというのは、ナンバ歩きの特徴です。

 

体をひねらないので、軸がぶれることがないと言われています。

 

また、体全体を使って動くため疲労しにくくなるとも。

 

一般的な「左右逆の足が出る」歩き方の場合、つま先で地面を押して前進します。

この時に使うのは、ふくらはぎなどの小さな範囲の筋肉です。

 

一方で、ナンバ歩きの場合、かかとで地面を押して前進します。

この時、普通の歩き方よりもっと広範囲の筋肉を使います。

 

広範囲の筋肉を使うことによって足の筋肉の疲労が軽減されるわけです。

また、体をひねらないことで着地の際の膝へのダメージも抑えられます

 

ナンバ歩きで身体が変わり、動きが変わる。

 

「ナンバ」という呼び名の由来は諸説あるのですが、難所を意味する「難場」であるいう説も。

長距離の難所はもちろん、足元の悪い道や山道でナンバが効果を発揮していたのではないかと推測されます。

 

ちなみに、旭の説明に「飛脚の走り方」とありますが、江戸時代には一日100km以上走る飛脚がいたという説もありますよね。

 

さらに現代でも、2000年にインターハイ東京代表となった桐朋高校バスケットボール部や、2003年に日本陸上競技選手権大会男子200mでアジア新記録を出した末續慎吾選手がナンバを取り入れています。

 

ナンバすごい!使える!

 

・・・ところが。

 

桐朋高校バスケットボール部も末續選手も、がっつり同側型動作のナンバの動きをしているわけではありません。

常に同側型動作をしているわけでなく、ナンバを通して効率良い動き方や体幹の強さを身に付けたのだそう。

 

同側型動作であることよりも「右足(左足)が出る時は右足(左足)の上に重心がくるように」すること、つまり、同じ側の腕を前に振るのではなく、同じ側の肩から腰にかけての上半身が自然と前へ出ることが重視されています。

体はひねりません。

 

ナンバは、このような動きを身に付けるための優れたトレーニングなのです。

 

ナンバ歩きをやってみよう!


では、実際にやってみましょう。

 

右手右足・左手左足をそれぞれ同時に出して進むだけですが、慣れないとギクシャクしてしまいます。

 

そこで、おすすめなのが「エア竹馬」

 

竹馬は、竹を握った手と同じ側の足が前に出ます。

竹馬の要領で歩けば、自然と同側型動作のナンバの動きになるわけです。

 

そして、腕を振るというよりも肩~腰あたりが前に出る感じになるでしょう。

 

ナンバを続けていれば、やがて、楽な姿勢でより長く歩く/走るコツが分かるはず!

 

というわけで、駅近物件じゃなくても!

ナンバを取り入れた楽々歩きで、フレッシャーズライフをレッツサバイバル!

 

こんな時期なので、お部屋で「ナンバトレーニング」をして過ごしましょう。

 

 

サバイバルポイント

「足は第二の心臓」と言われます。

 

「二本の足は二人の医者」とも言われます。

 

歩きましょう。