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マンガ『HELLSING』を読んでドアスコープの意外な弱点を学ぶ

[WRITER] ダクトテープ

 

見敵必殺!見敵必殺!
(サーチアンドデストロイ!サーチアンドデストロイ!)

 

見敵、つまり「見る」ことで危険を感知し、ときに避け、ときに排除、つまりデストロイすることが可能になる。
あるいは、逆に「見られる」ことで危険域に入っちゃう、つまりデストロイされちゃう・・・

 

ということで、「見る」「見られる」ことは、サバイバルにおいて非常に重要です。

 

私たちは、なるべく「見る」ことをしたがり、なるべく「見られる」ことを避けようとします。

 

たとえば、玄関の「ドアスコープ」

これは、部屋の中からドアを開けずに、つまり相手に「見られる」ことをせずに相手を「見る」ための設備です。

 

しかしこれ、本当に相手に「見られる」ことをせずに「見る」ことができているのでしょうか?

 

ドアスコープのレンズは、内側から見ると外側が大きく、明るく見えます。
しかし、逆に外側から見ると内側が小さく、見えづらくなっています。
このようなレンズの構成により、私たちは来訪者を確認することができるのです。

 

ですが・・・
あくまで見えづらくなっているだけであって、完全に見えていないわけではないのです。

 

確かに、外側から内側を見ても、薄暗くぼやけていて、そこに何があるのかを確認することは困難です。

ですが、レンズは光を通しています。
薄暗いながらも、ドアスコープの内側の明暗の変化は、意外なほどはっきり分かってしまいます。

 

つまり、ドアスコープの内側(室内)の照明がついているか?ドア前に人影があるか?近づいたり離れたりしているか?

このくらいはドアスコープを通して「見えて」いるのです。

 

テキストは『HELLSING』第2巻

ドアスコープの危険性がよく分かるシーンが、漫画「HELLSING」第2巻に登場します。

 

冒頭の「見敵必殺!(サーチアンドデストロイ)」は、「HELLSING」のおっかねえヒロイン、インテグラル・ファルブルケ・ウィンゲーツ・ヘルシングが使役する吸血鬼、アーカードに下した命令です。

 

ブラム・ストーカーの描いたヴァンパイアハンター、ヴァン・ヘルシング教授の末裔の一人であり、王立国教騎士団「ヘルシング機関」率いるインテグラ。
インテグラの血を浴びてその僕となったアーカードは、その強大な能力をもってマスターのオーダー「見敵必殺」を実行していきます。

 

そう、ドアスコープ越しにも。

 

第1巻収録の第3話「Murder Club」にて、主人公である吸血鬼アーカードは、

ドアスコープ越しに「見て」いました。

 

ドアスコープの向こうにいたのは、吸血鬼の実験台となった若者。
恋人のジェシカと共に、永遠の命を得るために実験台として吸血鬼になり、連続殺人を犯していました。

 

吸血鬼による事件ということで、「ヘルシング機関」が出動することに。

 

アーカードは、出来損ない吸血鬼の二人が事件を起こした住宅の呼び鈴を鳴らします。
「すぐに片づける」と玄関へ向かう若者。
ドアスコープをのぞくと、そこには銃を構え、こちらを見ているアーカード。
出来損ない吸血鬼の若者は、なぜか中国語で「殺(シャー)」と威嚇され、あっという間に倒されてしまいました。

 

もちろん、アーカードがドアスコープ越しに内側の若者が近づいてきたのを確認できたのは、吸血鬼の能力のためでしょう。
しかし、似たようなことなら、吸血鬼でない私たちにもすぐにできます。

 

外側からドアスコープをよく見ていると、暗くなったり明るくなったりするのが分かります。
レンズがはっきりと像を映していないとしても、光を通しているからです。

 

人が近づいてくれば影になるので暗くなり、遠ざかっていけば影がないので明るく見えます。
これで「ドアスコープ越しに大まかな人の動きを把握できる」というのは前述したとおり。

 

中にいると、「こっちにはドアスコープがある」と心理的優位に立ちがちですが、外にいる相手も一応ドアスコープを利用できます。

油断していると、逆にこちらの動向を把握されてしまうこともあるわけです。

 

居留守を決め込もうとして見破られるというのがもっとも思い浮かびやすいところでしょうか。

 

ドアスコープの天敵「リバースドアスコープ」

それだけではありません。
ドアスコープには、もっと深刻なリスクもあります。

 

ドアスコープのレンズは光を通しているので、外からでも室内の明暗をうかがい知ることができます。
つまり、部屋の照明がついているか消えているかを知ることも可能。

 

定期的にドアスコープから室内の明暗をチェックすることで、在宅/不在の時間帯を把握されてしまうかもしれないのです。

 

室内の明暗だけなら「じゃあ、電気代爆死覚悟で照明つけっぱなしにしてやんよ!」もありかもしれません。
でも、残念ながら、ドアスコープ越しにだだ漏れになるのは室内の明暗だけではありません。

 

ドアスコープを逆から見た場合、室内は見えていないのではなく、見えにくいだけです。
つまり、何らかの方法で見えやすくしたら、はっきり見えてしまうわけです。

 

何らかの方法として「リバースドアスコープ」と呼ばれる道具があります。

 

リバースドアスコープとは、外側からドアスコープにあてて覗くと、内側をはっきりと見ることができる小型の単眼鏡です。
ちょっとググってポチっとすれば、Amazonプライムで今すぐお手元に届いてしまうお手軽な一品です。

 

「侵入者の存在を確認するため」という目的で防犯グッズとして販売されているものではありますが、
こういうものがあって、しかも簡単に手に入るという事実は知っておいたほうが良いでしょう。

 

もっと恐ろしい事実をお伝えしなければいけません。

 

ドアスコープ越しに室内を覗き見する方法は、専門の単眼鏡だけではありません
普通の単眼鏡を逆向きにドアスコープにあてれば、リバースドアスコープとして使えるのです。

 

これらの方法を使えば、かなり明確に室内の様子を把握できます。

 

これはつまり、どういうことなのか・・・?

 

家の中に侵入されていなくても、ドアスコープの小さな穴から日常生活や個人情報が知らずに流出している恐れがあるということです。

 

ドアスコープカバーは必須!

では、ドアスコープから室内の情報が漏れる危険を防ぎ、サバイバルするためにはどうしたらいいのか?

 

答えはイージー。
ドアスコープカバーをつければいいのです。

 

内側のドアスコープの覗き穴に、簡単にめくれるカバーをつけて塞いでおくのです。

 

こうすることで、レンズに光が通るのを防ぐことができるので、外から内側の様子をうかがい知ることはできなくなります。
ドアスコープから来訪者を確認したいときは、ドアスコープに顔を近づけて(影にして)から、カバーをめくって覗きます。
こうすれば、外側から見たドアスコープはずっと暗いままです。

 

とにかく手っ取り早くと思ったら、あるいはホテルなどで間に合わせのドアスコープカバーを用意しようと思ったら、
光を通さない程度の厚さのメモ紙をセロテープで留めておくだけでも十分です。

 

まとめ

インターフォンやオートロックの普及によって、ドアスコープは意外な盲点になっているかもしれません。

 

ですが、そこには穴があり、レンズがあり、光を通しています。

つまり、ドアスコープは、それだけで立派な情報漏えい源になるのです。

 

場合によっては、サバイバルに関わることになるかもしれないので、しっかりコントロールしておく必要があります。

 

ドアスコープは、ちょっとがんばればすぐに取り外せます。
気付かないうちにドアスコープが取り外されていて、中を覗かれていたり、そこから金具が進入させて鍵を開けて室内に侵入されてしまうこともあります。

 

たまには帰宅時に、ドアスコープが外されていないか?外された形跡はないか?確認してみましょう。

 

ここまでくると、「ドアスコープいらんやん!」ってなるかもしれません。

そこで、最後にドアスコープの有用性もアピールしておきます。

 

訪問者があったときだけでなく、外出時、ドアを開ける前にもドアスコープを確認するようにしましょう。
ドアの外で待ち構えている不審者対策になります。

 

とにかく!
ドアスコープは外側から見えないのではなく、見えにくいだけだということ、
そして、リバースドアスコープを使われたら、室内の様子を見られてしまうことは知っておきましょう!

サバイバルポイント

訪問販売対策は「居留守」が最強らしいですね。

相手にしないってことです。ガン無視です。

「電気つけてるから、中にいることバレてるなぁ・・・」とか考えて対応する必要はありません。

「ずっと家の前で待ってたらどうしよう・・・」といった心配も無用です。

彼らはノルマがありますから、相手にしなければ溜め息をついて次に向かうはずです。