マンガ・アニメを観て生き残れ!

マンガ『俺物語』を読んで、水をかぶれば火事に飛び込めるかを学ぶ

[WRITER] メンボウ

皆さんは火事、リアルに遭遇したことありますか?

 

実際に私は遭ったことも見たこともないんですけども(ボヤくらいならありますけど)。

 

マンガ『俺物語』別冊マーガレット(作画:アルコ×原作:河原和音)
第2巻(平成24年5月号掲載話)

で、主人公の剛田猛男が、
火事の中へ水を被って人を助けに行くシーンがあるんです。

 

『俺物語』は、別冊マーガレットで連載中の少女マンガで、
簡単に言うと美女と野獣もの(こんな言い方でいいのか?)なんですが、
アニメ化も実写化もされている、
実直で不器用な二人、猛男くんと凜子ちゃんにほっこりするラブコメです。

 

何がすごいって。

 

別マ(別冊マーガレットのことね)と言ったら、
『君に届け』とか、『アオハライド』とか、『オオカミ少女と黒王子』とか、
ちょっと昔だと『イタズラなKISS』とか、すごい昔だと『ホットロード』とか、
もうね、

 

THE 少女マンガ!!

 

的な、アニメ化も映画もされている数々の作品を送り出している雑誌なワケです。

 

この中で、野生型の猛男くんの存在感は、マジでハンパないです。

 

その猛男くん、正義感が強すぎるもんだから、
取り残されたのがヒロインの凜子ちゃんじゃなくても、火の海の中を助けに行きます。
(展開が完全に少女マンガじゃない)
そう、凜子ちゃんじゃないところがポイント!

 

・・・あれ?
・・・そうじゃなくて、ポイントは火事の中に飛び込む前に被った水ね、

 

そう、水だった。(おい)

 

よく他のドラマや映画でも火の中に飛び込む時に
水を頭から被りますよね?

 

アレってそんなに効果があるものなのでしょうか?

意外と科学根拠があって、防災服並の効果を発揮するとか・・・?

 

さすがに体力も運動神経もない私が行くのは無理だと思いますけど、
正義感の強い誰かがそれをやり始めたらちょっと怖いので、
気になったので調べて見ました。

 

火の中に飛び込む前に水を被るのは、

 

気やすめ、だそうです。

 

 

ですよねー。
なんとなくそうじゃないかって思ってましたー。

 

でも、水を被らないよりは、被った方がいいのも確かです。
水を被ると、水に触れた部分は蒸発するだけで燃えないんだそうです。

 

皮膚よりも先に水が熱を奪うワケですね。
蒸発してしまえば、そりゃもう燃えてしまうのですが。

 

つまり、水を被れば少なくとも短時間は燃えにくい、
火傷をしにくくなるんですね。

 

ここで、
ちょっと行けるんじゃね?
とか思ったら、大間違いです。

 

本当に厄介なのは、煙です。

 

火災時の最も多い死因となっているのは、
直接的な火傷ではなく、

 

煙による一酸化炭素中毒や窒息

 

と言われています。

 

人間は、呼吸系にダメージを受けると、ホントに脆いです。
全身に火傷を負えば、それは死んでしまうのでしょうが、
そうなるよりも前に、煙で生命活動が停止してしまうのです。

 

火災時の煙は、基本的に頭上(天井)から降りてきますので、
火事の中で移動する際は、できるだけ姿勢を低くし、
気道を火傷しないように濡らしたハンカチやタオルで鼻と口を覆い、
床すれすれの空気を吸いながら移動する、というのがセオリーなそうな。

 

火災の中では、呼吸はしない、くらいの前提でいないと、
一瞬で意識を持っていかれるのが現実のようですね。

 

怖すぎですね、火災・・・

 

消防士が火の中に飛び込むことができるのは、
直接的な火傷を防げる消防服と、煙を吸い込まないように酸素ボンベがあるからです。
それでも、超危険な現場であることに変わりはないのです。

 

素人が水を被って火の中へ飛び込むなんて、
自殺行為としか言いようがありません。

 

でも、長い人生・・・

 

もしかしたら、もしかしたら大切な誰かの為に、
火事の中に特攻する場面もあるかもしれません。

 

どうしても自分が火の中に飛び込まなくてはならなくなった場合は。

 

①映画やマンガのように、名前を叫びながら走り回る、
なんてことは不可能だと認識しておきましょう。
火事の中で不用意に呼吸をするのは致命的です。

 

②一呼吸で戻れるくらいの時間(1分とか2分)しか持たないと理解しておきましょう。
目的の場所がわかっているか、往復可能な距離がわかっていなければ、
煙に巻かれてしまいます。

 

③水を頭から盛大に被り、全身びしょびしょになりましょう。

 

④濡れたハンカチやタオルを口に当てましょう。

 

⑤濡れたシーツや風呂敷があればそれを頭から被りましょう。

 

⑥例え助けられなくても、すぐに戻る、という覚悟も必要です。

 

⑦二次災害はみんなに大迷惑です。
行くからには、絶対に生きて戻らなければなりません。

 

⑧当然、消防士の方がいれば任せましょう。
確実に、アナタよりも助けられる確率が高いです。

 

本当に大切な人がピンチだったら、
そんなに冷静でいられるはずもないのですが、
少なくとも、水を頭から被っただけでは、
誰かを助けるなんて不可能だってことは理解しておきましょー。

 

異常な体力と耐久性を兼ね備えていた猛男くんだから、
もしくは主人公補正が自動的にかかる主人公だから、
可能なことですので、
さすがに勢いだけで火の中に飛び込んじゃ駄目ですよ!!

サバイバルポイント

頭から水を被っただけでは、火事の中には飛び込めない。