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マンガ『The かぼちゃワイン』を読んで紙の器でお湯が沸かせるかを学ぶ

[WRITER] ゲストの極みまとめ

さて、サバイバルにおいて最も重要なこととは何でしょう?
それは「利用出来るものは何でも利用する」ではないでしょうか。

 

使えるものは何でも使う。
学べるものからは何でも学ぶ。

 

たとえ、それが「ラブコメ」漫画であろうともっ!

 

「Theかぼちゃワイン」(三浦みつる先生)
講談社コミックス 第7巻:第1話「バンガローでThe災難の巻」

 

で、こんなシーンがあります。

 

ある日の事、
主人公の春助とエルは冬の湖へと出かけるのですが、
最終バスに乗り遅れてしまい、近くのバンガローで夜を明かす羽目になります。
この時、エルが湯を沸かそうとして、
水を入れた紙の器を火にかけるのです(P19~20)。

 

「The かぼちゃワイン」は、
1981~84年連載の、かなり昔の作品で、テレビアニメにもなりました。
※正確には『The』と『かぼちゃ』の間にハート記号が入っています。

 

主人公でSサイズ(背が低い)の青葉春助と、
彼をひたすら「だ~い好き!」な女の子、Lサイズの通称「エル」こと朝丘夏美の、
これでもかってくらいの、ふざけんなってくらいの、ラブラブものです。
元祖、デコボココンビ、とゆーやつでしょうか。

 

ちなみに、テレビアニメではエルの声を、
先代のドラミちゃんや「天空の城ラピュタ」のシータを演じた
横沢啓子(現在は、よこざわけい子)さんがやられていて、
あのすい~とな声であま~いセリフを
吐いてくれちゃったりするもんだから、なんつうか、ああもう・・・・・・。

 

というのは置いといて。

 

 

これを読んだ当時、僕は小学生でしたから、
「んなバカな!」と思いつつも、
「もしかしたら、火でも燃えない紙があるのかも・・・」なんて思ったりしてました。

実際に、セラミックの線維で作った燃えない紙ってのはあります。

 

ところが、
そんな特殊な紙じゃなくっても、
ちゃんと紙で沸かせるんです、お湯。

 

それこそ、
A4紙とか、折り紙くらいの『紙』でOKです。

 

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事実、明治から開業している老舗、
京都の「きんなべ」では、和紙(もちろん普通の)を使った鍋で水炊きやしゃぶしゃぶ、
すき焼きなどを出しているのです(行ったことないけど)。

 

では、いったいどういうわけで
紙を火にかけても燃えたりせず、お湯を沸かすことが出来るのか?

 

ポイントは「火の熱量はどこへ行く?」です。

 

もうここからは理科の実験コーナーです!懐かしい(個人的に)!

 

まず、紙の燃える温度はおよそ300~450℃くらいです。

 

ってことは、
紙が燃えるには、当然、300~450℃以上の熱量が紙に伝わらなければなりませんね。

 

ところが、水は紙よりも熱伝導率が高いので、
火にかけても、沸騰するための熱量を紙からどんどん奪ってくんです。

 

皆さんも知っている通り、
水は100℃を越えることはありません。

 

いくら沸騰し続けても100℃のままですので、
蒸発して器の中のお湯がなくなるまで、
紙の温度を300℃以上に上げることはありません。

 

つまり、

 

燃焼温度に達しないように、
お湯が紙から熱を奪っている。

 

というわけなんですな、これが。

 

科学的根拠に基づいて、
この状態の紙は燃えないのです。

 

これでヤカンや鍋がなくてもオッケー、
紙さえありゃあ、お湯、沸かせちゃうってなー寸法です!

 

当時は不思議なだけでしたけど、
改めて調べてみると、理に適っていて実践的で、
今更ながら三浦先生に感服しております。

 

ただし、ここで注意が1つ。

 

和紙や画用紙くらいであればオッケーですが、何ミリもあるような厚い紙ですと、
火の直接当たってる個所から水が熱を奪いきれず、
燃えてしまう場合がありますので、気をつけましょうネ。

サバイバルポイント

水を入れた紙の器は火にかけても燃えない!お湯が沸かせる!