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マンガ『吉祥寺だけが住みたい街ですか?』を読んで安全な家探しを考える

[WRITER] ダクトテープ

 

私は、間取りを見るのが好きです。
建築も好きです。
観光地じゃない街をうろつくのが好きです。
なので、不動産屋が好きです。

 

できれば、ストレンジでクレイジーな物件をお目にかかれれば、なおよし。
実際にそういうとこに住んだこともあるのですが、まあ、いろいろ起こったりすることもあったりなかったり・・・

 

その「あったりなかったり」が、命に関わっちゃうと問題なわけですが。
というわけで、まっとうな物件からストレンジでクレイジーな物件まで、安全な家探しをしてサバイバルしていこうではありませんか!

 

テキストは、マキヒロチによる漫画『吉祥寺だけが住みたい街ですか?』

 

住みたい街ランキング殿堂入りの街・吉祥寺に住みたくて集まる人々を、その求めるところに従って、それぞれ魅力的なあの街この街へと振り分けていく腕利き不動産屋姉妹が主人公。
両親を亡くした、まだ若い双子の姉妹ではありますが、細腕繁盛記ではなく、かーなーりたくましい二の腕繁盛記です。

 

巨漢ヒロイン×2人の物件選びは、意外なようで実に的確。
これは人間観察力によるところが大きく、ちょっとした言葉や仕草から、その人が本当に求めるものを見つけ出し、とらわれている余計なものを切り捨てていくのです。

 

けれど、サバイバルのために絶対に捨ててはいけない条件が「安全」です。
安全な物件選びのために必要なことを見ていきましょう。

 

4巻に登場するストーカーに悩まされる女性のエピソードから

この女性は、小さくて静かな駅のオートロック無しの物件に住んでいました。
家賃や部屋のスペックなどの条件を優先したところ、ストーカーに狙われ、ついにはドアガチャや尾行など身の危険を感じるように・・・
そこで、賑やかな駅・吉祥寺のオートロック物件への引っ越しを決意し、姉妹の元を訪れたのですが・・・

 

この女性は、わりと安易に物件を選ぶ傾向にあります。
最初の物件は家賃とスペックのみで、周辺環境を見ていません。
そして、次は「賑やかな駅」というイメージだけで何となく引っ越し先に吉祥寺を選んでいます。

 

このように安易な動機なので当然ですが、家賃相場が予算と合わず・・・
結局、別エリアの物件を現地で見てみることとなり、「賑やか」というイメージでなんとなく選んだ吉祥寺よりも、条件に合った街を見つけることができました。

 

賃貸物件はイメージだけで決めず、可能な限り実際に足を運んでじっくりと歩いて確かめることが大切です。

この姉妹は毎回ちゃんと現地を案内するだけでなく、食べ歩きを含め、本当によく街を歩いて周辺環境を紹介します。
この漫画の魅力のひとつである街ぶらシーンは、その街への引っ越しを考えている人にはかなり参考になりそうです。

 

姉妹は、「安全な家は探さないと見つからない」と言っています。
スペックや街のイメージだけで適当に探していては、物件は見つかりません。
最優先すべきことは何かを明確にしたうえで、時間をかけ、周辺環境も含めてきちんと選ぶことが大切です。

 

「安全な訳あり物件」の選び方

 

きちんと探すという基本を押さえたら、次は「安全な訳あり物件」の選び方です。
安全な訳あり物件って、日本語が破綻しかけていますが・・・

 

2巻で姉妹の元を訪れたのは、事故物件希望の女性。
事故物件を含む訳あり物件であることはまったく気にならないので、家賃を抑えて好条件な部屋に住みたいとのこと。

 

ちなみに、事故物件とは・・・

「広義には不動産取引や賃貸借契約の対象となる土地・建物や、アパート・マンションなどのうち、その物件の本体部分もしくは共用部分のいずれかにおいて、何らかの原因で前居住者が死亡した経歴のあるものをいう。(Wikipedia)」

 

つまり、リスクがあるから事故物件なのです。

 

事故物件って、気にしなければそれでいいのか?
事故物件を避けるべきとされる理由として、「事件事故は連鎖するから」ということがあります。
これは、オカルティックな事情によるとは限りません。

 

たとえば、あまりに人目に付かない物件は「侵入されやすい」「危険があっても発見されにくい」などのリスクがあります。
さらに、割れ窓理論がそこに拍車をかけることさえありえます。
つまり、事件が多発する物件は立地や周辺環境にその要因があるわけで、そういう物件が結果的に事故物件になっているケースもあるのです。

 

こうした事故物件は、安全のためには気にしたほうがいい「避けるべき物件」と言えるでしょう。

 

これに対して、姉妹が案内した物件は、窓の外が一面墓地という心理的瑕疵物件

これをどう捉えるかということになりますが、これは「気にしなければ気にならない」範囲でしょう。
むしろ、日照は保証されてるし、管理された安全な隣地と言えるかもしれません。

 

ちなみに、心理的瑕疵物件とは・・・

「その場所で過去に起きた出来事にまつわり、通常一般人が嫌悪感を持つ物件をいう。この心理的瑕疵を有する物件が、一般的に、「事故物件」や「いわく付き物件」と呼ばれるものである。
具体的には、その物件内において「事故死」や「自殺」「他殺」「孤独死」といった忌まわしさを感じる死に方をした者がいるケースや、「倒産」「暴力団事務所の跡地」などの悪い事象の連鎖が懸念されるケース、「神聖スポット・井戸跡」のように縁起の悪さを感じさせられるケース、「風俗跡」のように生理的嫌悪が否めないケースなどがある。(Wikipedia)」

 

事故物件の、もう一つ大きなカテゴリが心理的瑕疵物件というわけですね。

 

事故物件でお安くといっても、場合によってはそこにお値段以上のリスクが潜んでいる可能性があります。
しかし、心理的瑕疵物件にまで範囲を広げれば、なかには安全性に問題はなく、生理的嫌悪感などの悪いイメージのためにお安くなっている物件もあるのです。

心理的瑕疵物件は、まさに「どう捉えるか」だけの問題ですからね。

 

不動産屋でも隣人は保証できない

 

さて、安全な物件探しのための大きな条件は、この不動産屋の姉妹のように有能な不動産屋を見つけることは言うまでもありません。
私が、クレイジーでマッドでストレンジな素敵物件をあえて探したときは、不動産屋選びにこそ時間をかけました。
コツは、世間話をしてみることです。

 

しかし、いくら有能な不動産屋でも保証できないものがあります。
それは、隣人です。

 

隣人というのは実は大きなリスクをはらんでいるうえに、不動産屋も把握しがたい条件です。
私の個人的な経験としては、ポストや自転車置き場、ゴミ捨て場のチェックと、夜の偵察が効果的だと思います。

 

まとめ

普段は、発砲阻止とか爆発とか「いつ必要なんだその知識!?」系なサバイバル記事を書いているんですが、地に足の付いたこの記事を書きながら、「帰る場所がある」ことの素晴らしさに気付いちゃった私。

 

毎回、ラスト付近にあるお馴染みの見開きページの、新しい家を見つけた女性の表情の満ち足りた力強いことと言ったら!
生きていくためには、帰る場所が必要なんですね。

「めぐりあい宇宙」のアムロだって最後に帰れるところがあるって素晴らしい!って言ってたじゃない。

♪Yes, my sweet, Yes my sweetest. I wanna get back where you were ~

 

安全なお家で魂を休めて、Yes!サバイバル!

サバイバルポイント

安全な物件、犯罪が起きそうにない物件を「物件名」から選んでみるのも一つの手だ。

セーフティー中目黒
ノークライム武蔵小杉
サバイバル二子玉川

家賃が同じなら、あなたはどの物件に住みたいだろうか?