マンガ『双亡亭壊すべし』を読んで炎の色から危険を察知する術を学ぶ

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建築物から、不思議なエネルギーを感じることがありませんか?

方位とか風水とかを利用して建築することで、もしかしたらエネルギーを操ることができるのかもしれません。

そうでなくとも、そこで暮らした人間の記憶や生活感から、何かを感じることがあります。
また、建築主の情熱が生み出したものを感じることもあります。
それは時に、狂気であることも・・・

 

ウインチェスター・ハウスしかり、沢田マンションしかり、代々木会館しかり、ドラード和世陀しかり。
そして、渡辺金蔵によって建てられたマッド建築「二笑亭」しかり。

 

その狂気の建築「二笑亭」をモデルとし、人々を飲み込んで破壊を拒む屋敷「双亡亭」を「壊す」物語が『双亡亭壊すべし』です。

今回は『双亡亭壊すべし』5巻収録の第44回「炎対験力」を読んで、炎について学んでいきましょう。

 

豊島区某所にあるという双亡亭。
そこは、近所でもお化け屋敷として有名な奇妙な建築物でした。
あることをきっかけに、総理大臣が双亡亭の破壊を命令。
戦闘機による空爆が行われますが、双亡亭は無傷のままです。

そこで「双亡亭壊すべし」と特別チームが組織され、主人公の凧葉務(たこはつとむ)が巻き込まれることに。
その彼が、作中で炎の色を見分け、ピンチから仲間を救い出すシーンがあります。

 

凧葉たち一行は、通信が途絶えた状態のなか双亡亭の出口を目指していました。
そこへ、爆弾の音が。
「内部から爆弾班による破壊作戦が始まった」と、攻撃の効果に関心する一行。

 

ところが、凧葉は爆破の炎を目視すると「色がちがうんだよ!」と駆け出します。

凧葉の言うとおり、その炎はパイロキネシス能力者であるマーグ夫妻のもので、凧葉たちは彼らを救うことに成功します。
そうして、大きな味方を得たのです。

 

凧葉は美大卒で、絵本作家を志しています。
自然と視覚で周囲を捉え、観察する癖があったのかもしれません。
そして、色彩の差違に敏感だったのかもしれません。
燃焼している物質が違うと考えたのかどうかは分かりませんが、炎の色の違いから、それが作戦の爆弾とは異なる種類の炎であることに、ただ一人、気付くことができたのです。

 

炎の色は何で決まるのか?

そこから何が分かるのか?

 

まず、燃焼の際の酸素供給量が炎の色に影響します。
燃焼の温度によっても色は変わります。

酸素供給量が低ければ、温度が低い赤色やオレンジ色の炎になり、酸素供給量が多ければ温度が高い青色の炎になります。さらに温度が高いと白い炎になります。

 

有機物の場合、外炎と内炎とで炎の色を決める要因が異なります。
炎の中心部である「炎心」の周りの「内炎」の色を決めるのは、炭素の微粒子の発光。
内炎の外側にある「外炎」の色を決めるのは、炭化水素などの物質の発光です。

 

たとえば、ろうそくの「内炎」は酸素供給量が少ないため、赤色やオレンジ色をしています。
温度は低いものの、不完全燃焼した炭素(すす)が燃えるため、明るく目立つ部分です。
一方、「外炎」は周囲に酸素がたくさんあるため完全燃焼し、温度が高くてあまりよく見えません。

 

無機物の燃焼で有名なのは、金属が燃焼する際の炎色反応です。

これら、金属の燃焼では有害な物質が発生することがあるので要注意です。

 

炎の色から日常生活の異変を察知する!

炎の色によって燃焼している物質や炎の温度、酸素供給量などを知ることができることが分かりました。
そして、双亡亭内においてパイロキネシスの夫人を助けることはなくとも、炎の色は日常生活の異変を察知するために役に立つ情報です。

たとえば、冬にお世話になる石油ファンヒーター
石油ファンヒーターの取扱説明書にもありますが、正常に運転していれば炎は青色です。
赤色やオレンジ色の炎なら、酸素が不足している、つまり不完全燃焼の状態。
不完全燃焼は、黒煙(すす)や一酸化炭素を発生させます。

 

そして気中の一酸化炭素濃度が0.16%になると、20分で一酸化炭素中毒の症状の陥り、2時間で命の危険が・・・
一酸化炭素は臭いがなく気付きにくいものなので、炎の色に注意しておくことは、一酸化炭素中毒から身を守るためにも重要なことだと言えるでしょう。

 

また、不透明な黄色い炎の場合は、灯油の変質が疑われます。
これも、不完全燃焼など異常燃焼の原因となって危険なので、新しい灯油と交換して説明書の指示に従いましょう。

 

ガスコンロも同様。青色の炎が正常です。
炎の色がオレンジ色、緑色、黄色の場合は、不完全燃焼のおそれがあります。

 

キャンプでも、炎の色の知識が役立ちます。
キャンプで使うことが多い着火剤によく使われるメタノール。
メタノールは炭素が少なく酸素を含むため、炎は薄い青色になりますが、視認しにくく、油断すると燃え移りやすいという注意点があります。
着火剤を使う際は十分に気を付けるようにしましょう。

 

炎の色の違いを観察するということは、つまり、安全な状態なのかそうでないのかをチェックするということ。
火を扱うときは、しっかりと目視確認を。

POINT サバイバルポイント

彼女と花火を見に行って「わ~、キレイだね」「焼きそば美味しいね」「ウェットティッシュ持ってきて正解でしょ」とか言ってる場合じゃない。ビールはほどほどに常に花火から目を離さず、炎の色を観察し、少しでも異常燃焼の危険を感じたらすぐさま脱出を図らなければいけない。

Written by: ダクトテープ

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