マンガ『MONSTER』を読んで正しい丸腰アピール法を学ぶ

この記事を読む所要時間 : 約4分  サバイバル度 :

人が人に銃を向けるとき。

その理由は何も憎悪や敵愾心による殺意ばかりではありません。

恐怖から銃を向けることもあるのです。

 

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恐怖心により銃を持った人は錯乱しています。

判断力も低下しています。

 

そんな相手に対して、発砲を思いとどまらせ、自分の命を護るにはどうしたらいいか。

正しい丸腰アピールでサバイブする方法を、マンガ『MONSTER』から学んでおきましょう。

 

今回のテキスト「MONSTER」は。

ビッグコミックオリジナルに1994年から2001年まで掲載された浦沢直樹先生の作品。
全18巻(完結済み)。

 

日本人医師が殺人犯として追われ逃亡する・・・というのがおおざっぱなあらすじ。

 

もうちょっと詳しく言うと、舞台はヨーロッパ。
主人公は凄腕医師・天馬賢三、それ追うのがドイツ連邦捜査局の刑事であるハインリヒ・ルンゲ。
東西ドイツ冷戦時代のあれこれと、映画作品などへのオマージュがもりもり。

 

ここまで説明したので、後は読むかググるかしてみると幸せになれるでしょう。

 

お医者さんのお話ですがサスペンスですので、銃の登場するアクションシーン多数。

 

その中で。

正しい丸腰アピール法がよく現れているのが、18巻の最終エピソードです。

 

舞台は「やすらぎの家」という、まるでどこかのケアホームのような名を持つ南ドイツの小さな田舎町ルーエンハイム。
このルーエンハイムで住民同士の殺し合いが始まります。
きっかけはほんの少しの歯車のズレと、闖入者による銃の無料配布。
本来なら善良な市民であるルーエンハイムの住民たちは、殺意でなく、恐怖から銃を取り、疑心暗鬼に
なって撃ち合いを始めます。
その中で、主人公のドクター天馬は住民の誤解をとき、彼らの救出にまで成功します。

 

その秘訣が正しい丸腰アピールです。

 

銃声響くルーエンハイムに降り立った主人公・ドクター天馬。
ドクター天馬は、逃げる少年を追って、住民が立てこもる民家に近づきます。
そして、自分に敵意がなく危険でないことを相手にわからせるために、窓枠に自分の銃を置き、手を挙げて銃と彼らの窓際から一旦離れます。
口調は穏やか。

 

結果的に彼らは銃を所持していなかったようですが、それでも自暴自棄になることなくドクター天馬の言に従い、町から脱出できました。

 

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ドクター天馬は、銃を手放して丸腰アピールすることで、彼らの信頼を勝ち得たのです。

 

もう一つ、実際に銃口をこちらに向けかなり錯乱した状態の相手への丸腰アピール&説得に成功しているシーンもあります。

丸腰アピールと説得に成功したのは、ルンゲ警部。

 

ルンゲ警部は銃を構えた住民男性と対峙。
その説得の際に、住民男性からも見える地面に自分のライフルを置いて、銃から身を離します。
この時、ゆっくりと膝をついて不利な姿勢を取ってもいます。
そして非常に落ち着いて説得しました。
住民男性は銃を落として崩れ落ち、恐怖を吐露し泣きじゃくります・・・

ゲームで言ったら、完全攻略です。

 

ところが、実はルンゲ警部はもう一丁銃を持っていて、住民男性を攻略した直後、背後で銃を構えていた別の男を撃ち返します。
そのクールすぎる所業に痺れる憧れるルンゲ警部ですが、その魅力はここでは語り尽くせないと言うに留めて話を進めましょう。

 

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丸腰アピールで大事なのは、これ。

 

(1)武器を手放し、離れること

(2)両手を見せておくこと

(3)落ち着いてゆっくりと穏やかに振る舞う

 

この3つのポイントがあってこそ、丸腰アピールは成功しました。

人は不確定要素に恐怖します。
ならば、不確定要素を取り除いてやることで、相手の恐怖心を無くせば良いのです。
こちらが武器を手放した事実をはっきりと示すことで、相手にとって安全であることが確定します。

 

失敗例も見てみましょう。

「撃たないでくれ」と手を挙げたにも関わらず、右肩を撃たれた男が登場します。

男の何が悪かったのでしょうか?

ちなみに撃ったのは・・・

やっぱりお前か!

ルンゲ警部です。

 

先ほどの住民男性の説得に成功したあと、ルンゲ警部はとあるホテルへと向かいます。
ホテルに入ったルンゲ警部は何かを感じ取り、「出てこい」と警告。
すると「撃たないでくれ」と男が一人、手を挙げました。
ですがルンゲ警部は男を一般住民ではないと判断し、引き金を引いたのでした。

 

まずはルンゲ警部という相手が悪かったと言えるかもしれませんが、おいといて。
この男の丸腰アピール失敗の原因は、これ。

 

(1)挙げた手は左手のみ
まず、降伏のサインとして手を挙げていますが、この男は片手のみを挙げて顔を出したのです。
しかも、一般的な利き腕とは逆の左手を挙げているため、右手に武器を構えている疑いがあります。

 

(2)物陰にかくれたまま
手を挙げて顔を出しても、椅子の後ろにかくれたままでした。
ドクター天馬の協力者であるグリマーさんが、自分が無害であることをアピールするためにあえて敵の視界と射程に全身をさらしたのとは対照的です。

 

(3)急激な動き
急激な動きは攻撃と判断されます。
ルンゲ警部も男が急に立ち上がった所で発砲しています。

 

実際、この男はかくしていた右手に銃を構えていました。

 

もしもこの男が丸腰であったとしても、同じように物陰で利き腕をかくしていたら、やはり丸腰アピールには失敗したことでしょう。
一方で、実際には銃をもう一つ所持していても、きちんと「撃つつもりはない」ことを行動で示すポイントを押さえた行動さえとっていれば、ルンゲ警部のように丸腰アピールに成功しやすくなるのです。

 

丸腰アピールをするなら中途半端なことはしないほうが良いと言うことです。
あと、殺意のある相手には当然無効です。

 

そうはいっても、丸腰でもグリマーさん最強なんだよなと思いつつ、筆を置く。

POINT サバイバルポイント

丸腰アピールを成功させるには。
(1)武器を手放し、離れること
(2)両手を見せておくこと
(3)落ち着いてゆっくりと穏やかに振る舞うこと
(4)殺意のある相手には当然無効なので注意

Written by: ダクトテープ

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